Early X’mas Gift
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さて、この日、嫁は台湾からの飛行機がトラブルに見舞われ、大幅に遅れての帰宅だった。
「ほれ、チチボーロ。みやげ」
無造作にテーブルにおかれた台湾の駄菓子。よく見ると、私の目の前には好物の「たまごボーロ」が置かれていた。
「なるほど、台湾ではチチボーロって言うんだ」
「? 何言ってるの! チチボーロ、だよ!?」
「はあ?」
どうにも話がかみ合わない中で、どうやら嫁の出身地である大阪では「たまごボーロ」を「乳(ちち)ボーロ」と呼ぶのだと、ようやく気づいた。
これまでも夫婦間では商品の呼び名などで、カルチャーショック的な問答が何度もあった。例えば、関東では腕を「つねる」というが、嫁は「ちねる」だと、頑として主張するのだが……本当なのだろうか。まあ、昨日もそんな新たな発見があったというわけである。
台湾のチチボーロは「旺仔小饅頭」と記されている。味はつまらないほど日本と同じだが、若干湿り気があるような感じ。私は「たまごボーロ」「ふ菓子」「瓦せんべい」を日本の三大菓子に認定しているが、もしかしたら長距離飛行による気圧の変化によって微妙な味になっているのかもしれない。
とりあえず、本日は締め切り仕事を遅れながらもなんとか一つ片付けた。自分へのご褒美として、これから帰宅して残りを平らげるとしよう。