Horse Capital of the World 6
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現地のフォトエージェントとのディナー。今度は招待される側。
会ったのは経営者のロビンとハロルドの二人。
まずは失敗談から。
アメリカ人の彼らとの付き合いは比較的新しく、まだ2年ほど。仕事に関する交渉ごとは最初から全てメールでのやり取りだった。特に頻繁に連絡を取り合っていたのはロビンの方で、この二人が同じ苗字であることに気がついたのはずっと後、というか実は渡航直前のこと。なるほど、兄弟でやっていたのか、と。
しかし、当日。私が宿泊しているホテルに迎えに来てくれたのは一組のカップルだった。ロビン&ハロルドは、なんてことはない「夫婦」だったのである。私はロビンのことをそれまでずっと男性だと勘違いしていたというわけ。いや、お恥ずかしい限り。そのことを正直に話したところ、「あー、よくあるのよ! 全然気にしないで」とロビン。この名前は男性・女性両方に使われるのだそうだ。
そういえば、こういった両性で使われる名前は日本にもある。うちの上司は演歌歌手の坂本さんと同じながられっきとした男だし(ちなみに漢字も同じ。これは結構珍しいかな)、なおみ、じゅん、かおる、きよみ、あたりも男女両方で使える例だろう。ロビンの場合は、バットマンの助手がそうだった。そのイメージが強かったせいかも? 本当はメールの文面で性別を判断できればたいしたものだけど。
そのロビンだが、なんと彼女は映画『シービスケット』にエキストラで出演したのだという。
←こんな場面だろうか。
「といっても、競馬場の観衆の一人なの。馬が走ってもいないスタンドで、『キャーキャー』騒ぐのがおかしかったけど(笑)。何度も何度もリハーサルを繰り返したし、待ち時間がすごく長かったわ。でも、大変だったけれど、映画がどうやって作られるか、その過程が分かったし、すごく面白い経験だった」そうだ。
いいなあ。端役でいいから映画は出てみたい。その昔、自分はワイドショーのエキストラは散々やったけれど。
一方、夫のハロルドはドクターファーガーとかセクレタリアトといった歴代のスーパーホースの現役時代を見ているというから、競馬に関しては筋金入りのキャリアの持ち主だ。彼はエドガー・プラドというアメリカの現役超一流ジョッキーとも友人関係にある。「エドガーは人格も素晴らしいし、年々騎乗技術も上がっている。それに彼はバーバロの命を救った」とハロルド。
ちなみにバーバロとは今年のケンタッキーダービーを圧勝し、三冠の期待がかかった逸材。しかし、続く2冠目のプリークネスSで競走中に無念の故障を発症し、通常であれば、安楽死処分されても不思議でないほどの重傷を負ってしまった。バーバロは今もなお、懸命な治療が続けられているが、愛馬の異変を察知した鞍上プラドの機転がその命を救ったのだとハロルドは言う。確かに。あのレースでプラド騎手は馬をストップさせて下馬するや救護が来るまでの間、興奮するバーバロを辛抱強くなだめ続けたのである。
さて、話を進めているうちに二人ともになんとなく都会的な雰囲気がする気がしていた。なんて、思っていたら、案の定二人の本来の住居はニューヨークだという。しかも、ハロルドはかつてニューヨークタイムズの契約フォトグラファーだったこともあるそうだ。
食事をしたDudley’sは非常に雰囲気のいいレストランだった。ただし、量が半端ではなく多いのは、やはりアメリカならでは。同席した同僚Kともにかなり残してしまったのは申し訳なかった。
当日の記念写真はさながら“未知との遭遇”のよう。デジカメを忘れてしまい、Kの携帯で撮ったものの、暗すぎてフラッシュがほとんど機能しなかった。で、パソコンで無理やり補正したら、こうなった。帰国後に送ったところ、ロビンからもこんな返答が帰ってきた。
“Thanks a lot for the Dudley's pictures. Even though they do look like they came from outer space, they still remind me of how much fun Harold and I had that night meeting you.”
ロビンとハロルドは現在ウインターホリデイの真っ最中。今頃はどこかでクルージングを楽しんでいる頃だ。冬休みはなんと21日から来年の5日までというから羨ましい!
大晦日まで残すところ後3日。こちらはもうひと踏ん張りだ。
Hi Harold and Robin,
Many thanks again for inviting dinner at Dudley’s.
I bet you are on cruising somewhere.
Have a happy holiday season and von voyage !
I think I can’t be back next year but hopefully I’d like to come back to
the States in 2008. We will see you again, maybe at Belmont Park.
Take care !