A Fish called John Dory
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火曜日のヒラメ釣りで釣れた外道のマトウダイについても少々書き留めておく。
私にとっては、未知の魚種だったマトウダイ。その大きな特徴は胴体に大きな●の模様があること。漢字で書くと「的鯛」または「馬頭鯛」とはこれいかに。前者は目玉模様を弓矢の的に見立てたものだし、後者は蛇腹状に口を伸ばした状態が馬の顔に見えることから命名されたのだろう。ちなみに、英名は「John Dory(=ジョン・ドリー)」、フランスでは「Saint Pierre(=サン・ピエール)」と、海外ではまるで人間のような名で通っているのも面白い。どこか愛嬌のある風貌から来ているのだろうか?
さて、この興味深い●模様。釣り上げた直後はもちろんのこと、生きている際にはしっかりと自己主張しているのだが、これが瀕死の状態になると……。
左の写真は血抜きをしている状態。ご覧のように的模様は綺麗に消滅している。
ところが、帰宅後、料理の下処理をした段階では、一度消えていた的模様が見事に復活。生命の神秘というには大げさかもしれないが、これには正直驚いた。そもそも、なぜこの模様があるのかも不思議だ。敵を威嚇するためという説が有力とはいえ、本当のところはまだ解明されていないようだ。
高級食材とされるマトウダイだが、釣った当日の拓永丸の中村夫妻の反応はともに「刺身でもいけるけれど、ちょっと水っぽいのでしゃぶしゃぶがお薦め」だった。確かにその日に食したマトウダイは思ったよりも肉厚で、切り身のイメージとしては、大きなカワハギを想像していただければいいだろう。しかし、今回は同じ皿に並んでいたのがヒラメでは到底勝ち目がなかった。マトウダイの場合は、鍋の食材やムニエル、フライなどで相当にいけるのではないだろうか(=本日、一人で勝手に食べていた嫁は「うん、ムニエルはおいしかったよ」とご満悦だった!)。