The Dark Knight
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嫁に聞くと、クリストファー・ノーラン監督の前作『バットマン・ビギンズ』からシリアス&重厚路線の新シリーズになっているという。やはり、時代は刻々と変化しているということなのか。
さて、作品については、これは予想以上の面白さ。今年1月に急逝したヒース・レジャー演じるジョーカーのFreakぶりは出色だった。上映時間152分という長い尺はまったく気にならなかったし、いずれ続編が撮られると思うが、その際もぜひまた観てみたい。そんな作品だった。
「混乱、悪、狂気」が凝縮された『ダークナイト』を堪能したその日。実は私の正義感が問われる出来事が目の前で起きていた。京浜東北線の上りはサザンオールスターズのコンサート帰りとおぼしき客が混じり、ソコソコに混雑。時間は夜11時半を回った頃のことである。
目が点になったのは、車両のドアが閉まり、私のちょうど目の前に座る男がコンビニ袋からそぼろ弁当を取り出した時のこと。その男、やや白髪混じりの頭髪から独断推定年齢47歳。日本の平和と秩序を乱す行為を注意するべきか否か? しばしの葛藤があった。しかし、揺れる車内の床にポロポロこぼしたそぼろを律儀に拾っていた点に、男の良心を垣間見ることができたのは救いだった(笑)。
日本がゴッサムシティとは程遠くて本当に良かった。