Good Bye T.T.
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オーストラリア人のAndrewが初めて日本を訪れた時のこと。当時タヤスツヨシはかの地にシャトルされており、「Tayasu Tsuyoshiはどう発音するのか?」と尋ねられたのを思い出す。外国人にそのまま「ローマ字読みすればいい」というのは通用しないわけで、とりあえず「タ~ヤ~ス~ツ~ヨ~シ」とゆっくり答えたが、うまく発音できない様子だった。
話はやや脱線するが、坂本九の「上を向いて歩こう」だって、「Ueo Muite Aruko」の原題では欧米人に受け入れられるはずがなく、「Sukiyaki」という、日本人には意味不明ながらも単純明快なタイトルが付けられたからこそ、大ヒットに繋がったといえる。こういった例は、最近では日本の主婦が発明した「かかとがないサンダル」にも見られる。このダイエット商品の海外での名は「Hatsukoi」。これなんかも用途や意味は二の次でとにかく日本風の語感だけあれば良いという見本だろう。何が言いたいかというと外国の人たちは基本的に大雑把だということ(笑)。
余談が長くなった。そんなわけで、オーストラリア供用時のタヤスツヨシは、うまく発音できないという理由で、頭文字をとって単純に「T.T(=ティー・ティー)」と呼ばれていた。ちなみにT.Tと同期のフジキセキFuji Kisekiもシャトルされていたが、現地ではほぼ表記どおり、「フージキセキ」といった風に認知(?)されていた。こちらは有名な富士山とかそういった連想しやすい単語だったのも幸いしたと思われる。
種牡馬としては大成功とまではいかなかったが、毎年相応の種付けをこなし、多くの活躍馬を送ってきたタヤスツヨシ。海の向こうのオーストラリアでもT.Tという愛称がつけられたのは、人気者だった証といえよう。
事故で骨折し安楽死処分になったとのことで、非常に残念だが、今は冥福を祈るのみ。惜別は顔文字で送ることにしよう。(T T)