Touch Gold
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両足の調子は相変わらずだが、テーピングとサポーターを施して汗を流すこと1時間半。とりあえず縄跳びさえ避けておけば、何とか通常のメニューはこなせそうだ。
この日は桜井会長が雑誌のインタビューを受けていた。オリンピックが近づいてきて、過去のメダリストの現在を特集した記事なのだと思われる。ジムの桜井孝雄会長は1964年の東京オリンピック、ボクシング・バンタム級の金メダリスト。プロでも活躍したが、日本のアマチュアボクシングにおいては唯一の金字塔を立てた歴史的名選手と断言していいだろう。取材の場に居合わせたのは初めてだが、以前にもテレビ局のディレクターが話を聞きにきていたし、この手の応対には慣れている様子だ。
ちょうど自分の練習を終えた頃、撮影のために会長が何気なく手にしていたものを見て思わず目が光った。本物の金メダルである。たまたまそばにいた私は新人会員としては暴挙とも言える行動に思わず出てしまった。
ずうずうしくも直訴(?)して触らせてもらった金メダルは、予想以上に軽いなあという印象。傍らのYさん曰く「メダルは銀製の金メッキなんですよね」とのこと。なるほど。純金製でないのは初めて知った。確かに調べてみると、これはオリンピック憲章でも規定となっていて、開催国によって経済的な不利がないように配慮された、とある。しかし、もちろん純金製ではないからといって、その価値は下がるものではないし、世界のアスリートの頂点に立った栄光は永遠に消えることはない。気軽に応じてくれた会長にもちょっと感激した。
というわけで、昨日は一瞬だけミーハー気分を味わった一日でもあった。