Fishing and Fun
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2017年 12月 13日
我が家の脱走猫もんちゃん保護から今日でちょうど2週間が経ちました。
その節はSNSのともだちの皆さんをはじめ、たくさんの方からの叱咤激励を頂戴し、猫が戻った今も時々感動と感謝の気持ちが蘇りグッときてしまいます。
そんな中「顛末記はよせい!」という声も数多くいただいてますので、自戒の念も込めて今回の迷い猫騒動を振り返っておきます。(長文です。ご容赦ください)
***ありふれた日常から一転***
もんちゃんが脱走したのは、10月24日火曜日の昼間のことでした。自宅はビルの3階なのですが、直接の原因としてはすぐ上の屋上階で布団を干すために妻が何度か出入りした際に外に出てしまったと推測されます。もちろんドアは開けたままではありませんでした。布団を抱えているその下で、妻の死角から出ていってしまったのでしょう。
しかも、間が悪いといいますか、私が帰宅した夜9時半過ぎまで、妻はもんちゃんの脱走に気づいていませんでした。午後に一度外出して戻った後も全く気にせずに自宅で過ごしていたのです。これは決して妻を責めているわけではありません。しかし、推定9~10時間のタイムラグが生じたために捜索開始が必然的に夜遅い時間になってしまいました。
私が帰宅するといつも玄関に迎えにくるもんちゃんが、いない…。おかしいな。嫌な予感は得てして的中するものです。この日を境に我が家のありふれた日常は、あたふたと疲弊する日常へと様変わりしました。
***脱走2日目に発見も捕獲失敗***
猫の脱走は初めてのことでした。当日夜、すぐに里親のSさんに電話をしてアドバイスを仰ぎました。しかし、このとき、すでに夜の11時近く。今から焦っても仕方がないから明日から本格的に探そうとその日は簡易ポスターを作って終わりました。
しかし、猫が家出してしまった場合、いかに早く動くかが大事かということを後々思い知らされます。TVのニュースでは「警察による初動捜査のミス」などがよく報じられますが、それをまさに身を持って知ることになりました。
結果論ですが、行方不明になった最初の3日間の捜索への本気度は低かったのではないかと今も反省しかありません。「特徴のある猫だからすぐに見つかるし、捕まえられるだろう」という見立ては完全に外れてしまったからです。
それでも、脱走から2日目の夜のこと。隣家の庭に向かって「もんちゃーん、もんちゃーん」と呼んでいると、なんと向かって正面の軒下からもんちゃんがゆっくりと現れたのです! そのまま呼び続けていると、あきらかにこちらを見て意識していました。これはチャンスとばかりに、隣家に電話をしてみましたが、あいにくの留守。しかし、目の前にいるのに何も行動しないわけにはいけません。大きな声では言えませんが、意を決してもんちゃんの捕獲へ向かいました。
その庭先。エサを持って呼んでみても距離感が微妙。なかなか近寄りません。それでも、一時は目の前2mほどに接近したのですが、結局は逃げられてしまいました。実はこのときも、近所の目を気にして途中であきらめてしまった自分がいました。
そしてその2日後にも同じ庭で見かけたのですが、その時は駆けつけた際にすでに姿が見えなくなっていました。ちなみに、隣家の方にはその後挨拶に行き、事情を説明。里親さんから借りていた捕獲器を庭の中に毎日仕掛けさせてもらうことを承諾していただきました。祖父の代からの付き合いとはいえ、当方のわがままを快く受け入れていただいたことは本当にありがたいことでした。
もんちゃんはおそらく、当分この隣の庭を拠点にするだろう。そのうちに捕獲器に入ってくれるのではないか、そう期待をしました。ところが、10月最後の週末に季節はずれの台風がやってきました。大変な降雨量があり、状況が一変します。以降、もんちゃんの姿が一切見えなくなってしまったのでした。
隣家の庭だけでなく、自宅ビルと隣のビルの間にも捕獲器を複数台仕掛けますが、入ってくるのは別の野良猫たちばかり。中には凶暴な奴もいます。ううう、怖いよ…。最大で3台の捕獲器を稼動させ、最終的には20匹以上のノラを捕獲しました…。そうなんです。この地域は元々野良猫が非常に多いのです。
***意外と少なかった目撃情報***
1週間経って11月の連休には、代々木上原の友人夫妻が一緒に深夜に捜索してくれました。ポスターはこの友人夫妻(ともにデザイナー)や会社の同僚がボランティアでつくってくれたこともありがたいことでした。周囲100mいたるところにはそのポスターを貼りまくりました。当然ですが、はがされているところもありました。仕方ありません。自分の携帯は仕事でも使うため、新たにガラケーを購入して専用の連絡先を作成しました。しかし、情報を待ちましたが、意外にも電話は鳴りません。10月中に一度、11月に入ってからはしばらく音沙汰がありません。こんなものなのかな? 妻とともに日にちが経つにつれ、不安が募る中、Twitterですとか、獣医師会の伝言掲示板といったあらゆるツールでの情報提供をさらに呼びかけました。
もちろん、この間捜索範囲を広げて行き、毎朝5時と夜11時の見回りが日課になりました。自宅の近くには北側に神社と南側に公園があります。ともにたくさんの野良猫が住み着いているエリアです。しかし、脱走から3週間、結局姿を見たのは隣の庭先だけ。以降はどこにも見かけない。一体どこで何をしているのか。冷たい雨が降るたびに、何度もため息が出ました。その度に脱走2日目に捕獲し損ねたこと、最大のチャンスを逃し悔やむ自分がいました。自責の念に駆られました。「そうか、心が折れるとはこういうことを言うのか」「もうもんちゃんには会えないかもしれない…」。口には出さなくても、考えが自然とネガティヴな方向に行ってしまったのは事実でした。
そんな中、友人知人、さらには見ず知らずの方からの何気ない一言がどれだけ支えになり、救われたことか。ポスターを貼りなおしていた際に飲み屋帰りの若者が声をかけてきました。一瞬かつあげされるかとおびえましたが「まだ見つからないんすか? この辺の人、皆この猫とポスター知ってますよ。見つけたら必ず連絡しますからがんばってください」。休憩中のタクシーの運転手さんからも「チラシちょうだい。連絡するから」と言ってもらいました。
あるいは、よく配達に来てくれる宅配業者さんからは「近所に猫のたまり場がある」と教えてもらい、休みの日に実際に案内していただきました。さすがは猫のマークの業者さんです。さらに信頼度アップです。
あるいは、同業の皆さんからの熱いエール。忘れません。しかも、同じ愛猫家で脱走経験がある方のアドバイスは本当に身にしみるものがありました。
そうこうするうちに、ある日の早朝5時。突然ガラケーが鳴りました。「お宅の猫だと思うけど、目の前でえさを食べているから早くきな」というおばさんの声。しかし、駆けつけてみると、耳が立った和猫でした。もんちゃんはスコティッシュの雑種で耳が寝ているのが特徴です。この電話を機にポツポツと情報提供をもらうようになりましたが、ほとんどが耳の立った黒白猫でした。それでも、いただいた情報の一つ一つが例え誤報であっても、役に立つことが実感できます。別の猫だった場合、その場所は違うと一つの判断材料になるからです。
忘れられないのは、ある朝の電話でした。「自分は早朝にカンを拾っているんだけどさ、お宅の猫、どこそこの駐車場で見たよ。通勤時間になると人が多いからいないけど、朝早く行ってみたらいいよ」と、電話口のおじさんは言います。携帯の待ち受けには「公衆電話」とありました。たぶん、本当ならば電話代の10円もその方にとっては、貴重なお金だったと思います。
よく路駐して車で寝泊りしているおじさんも公衆電話から連絡をくれました。残念ながら別の猫でしたが、本当に色々な方が情報を提供してくれたこと。何と御礼を言っていいか、わかりません。迷走の中、毎日の捜索で疲れが溜まる中、そうした応援を力に変えなければという思いはもちろんありました。
(後編へ続く)
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