受け入れがたい現実
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6月8日、後楽園ホールでおこなわれたOPBF東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦。4度目の防衛を目指す竹中良選手(三迫)の応援に行ってきました。対戦相手は同級14位ノ・サミュング(韓国)という選手。韓国同級王者という触れ込みでしたが、韓国は国内で団体が複数ある模様で実力は未知数。しかも、前の試合で敗れての挑戦だっただけに〝油断さえなければ負けるはずがない相手〟というのが下馬評でした。これは応援する側のほとんどが思っていたことでしょう。
しかし、10R1分26秒KOで、挑戦者ノ選手が王者・竹中良からベルトを奪うというまさか、まさかの結末でした。試合そのものは序盤から竹中が主導権を握っていたように思います。4Rの途中採点では2-0で竹中、8Rでは3-0で竹中がポイントをしっかりリードしていました。
ただ、早々と左目尻をカットし、それほどスピードもあると思えない相手を攻めあぐねていた印象はありました。9Rあたりでしょうか。竹中の試合を大学時代から見ている隣のKさんが「なんか、竹中おかしい…。いやだこの雰囲気」と、不安げに一言。果たして、それが現実になったのが10Rでした。
終盤、ポイントでリードしていた竹中は接近戦でも足を使い、相手のパンチをうまくかわしていました。しかし、このラウンドは一瞬の隙をつかれたのか右(だったと思います)で、竹中あっけなくダウン。一度は立ち上がったものの、相手はこのチャンスを逃すはずがありません。一気呵成に攻め立てると、たまらず赤コーナーからタオルが投げ入れられました。
応援する側も現実を直視しなければなりません。試合後、友人は口々に「全然切れがなかった」「相手の距離で戦ってましたね」「バッティングあって嫌気さしていたように見えた」「後半明らかに失速し体調が悪いように見えました。倒れ方もおかしかったし、何があったんでしょうか?」などなど、竹中の調子が第三者の目から見ても明らかに悪かった。これは共通した意見でした。
しかし、逆転KO負けの事実は消えません。正直この敗北はジワ~っときます。今まで積み上げてきたものが、一瞬にして崩れてしまったのですから。これは竹中選手本人が一番感じていることでしょう。ボクシングの怖さを再認識させられました。
月並みなことしか言えませんが、竹中選手にはまずはゆっくり休んでほしい。それだけです。