Junko Ebihara with Yoshiaki Masuo
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7時少し前に店の前で合流し、通された席はピアノの真ん前のテーブル。まさかのかぶりつきにまず驚く。この日は海老原淳子というVocalistのライブがメインで、お目当ての増尾好秋はバンドのギタリストとしての参加である。増尾さんは彼女のCDのプロデューサーでもあり、今回はツアーメンバーとしてNYから来日していた。それにしても、かつてジャズフュージョン全盛時に人気を博した名ギタリストが自分のわずか1.5m先で黙々とギターを奏でている。増尾さんは現在65歳だから、ただもう若い!の一言。30年ほど前に大きなホールでのコンサートも何度か見ているが、その頃の印象と全く変わってないことにも驚いた。
来店前、システムはいまいちよく把握していなかったのだが、ステージは計3セットあり、1ステージは45分ほどだった。自分たちは2ステージで店を後にしたが、これでミュージックチャージ、食事と飲み物で一人8000円ほどだから、決して高くない。というよりもかなりリーズナブルといえる。
肝心のライブは、目の前のかぶりつきで堪能しないわけがない。JAZZをベースにしながら多彩な音楽性を感じさせる海老原さんの歌声は、まずスタートの「Amazing Grace」から圧倒され、スタンダードナンバーとオリジナルを織り交ぜながらの心地よいステージが展開された。オリジナル曲では「Without You」がなかなかよかった。
1ステージ目が終わって、同行のIは増尾さんに声をかけ、サインをもらっていた。ミーハー度では負けないつもりだったが、この日は完全に先を越されてちょっとくやしかったかも(笑)。ともあれ、こうして音楽に身をゆだねる時間を持てることは素晴らしいこと。こうしたキャパの狭いクラブは、アットホームな雰囲気で楽しめるだけに、また機会があればぜひ訪れてみたい。
ただ、ひとつだけ疑問に思ったのは、バンドの演奏中に本を読んでいる客がいたこと。それも世界の増尾好秋の目の前でだ。常連さんのようだったが、ミュージシャンに失礼なような気がした。いいのかなあ?