Returned to the Ring
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しかし…結果から先に言うと、応援する側にとってはまさかの敗戦。対戦相手の和氣(わけ)年邦選手(M.Tジム)はキャリアこそ、ここまで17戦と、福田選手を大きく上回るが、5勝(2KO)10敗2分という戦績から考えれば、そう難しい相手ではないと勝手に踏んでいた。しかし、1Rから福田選手は動きが硬く、単発ながら和氣選手のパンチを受けてしまう。それでも2Rからはエンジンをかけて盛り返してくれる!と思われたのだが…。
結局、以降も精彩を欠く内容で、福田選手にはこれまでのような積極性が見られない。リングサイドに陣取る桜井会長が大声で檄を飛ばすという展開に終始してしまった。それにしても、毎回冷静に戦況を見守っている会長があんなに興奮しているのは個人的には初めて見た。それは裏を返せば、福田選手に対する期待の現われであり、本来の躍動感が影を潜めてしまったことに対する苛立ちでもあったのだろう。
最終6Rは福田選手が積極的に攻めて、このラウンドは明らかにポイントを奪った。だが、時すでに遅し。判定は58-56、59-56、59-56の3-0で和氣選手の右手が上がった。和氣選手は福田の動きをよく見て、的確にパンチをヒットさせていた。
福田勇輝選手の試合後は、会員有志で残念会の飲み会へ。この日は長谷川穂積と粟生隆寛選手がともに世界タイトルマッチで見事2階級制覇の快挙を成し遂げた夜でもあった。帰宅後に付けたTVのスポーツニュースを見る限り、ともに素晴らしい試合だったようだ。特にフェザー級の長谷川穂積の打ち合いは見応え十分。断片的な映像でその凄さが分かるのだから素晴らしい。後楽園とバッティングしてしまったので仕方がないとはいえ、この世界戦をフルで見なかったことをちょっと後悔してしまった。